カメラを持っていたのは
和菓子屋さんと
そのお店の奥様を写真に撮らせていただこうとしていたからです。
とても静かに言葉を少なく でも優しく小さな声で話される奥様が好きで
もしかしたらはじめて憧れた女の人だったかもしれません。
静かで可憐だと思いました。
時々ご主人が出てこられる日は寂しくてがっかりしたほどです。
その和菓子屋さんは
19歳の時 ほんの数ヶ月間だけ住んでいた家の傍にあります。
とても細い道を曲がった所にあります。
静かな小さいお店です。
あんまりひっそりしているので
お客様がみえるのかしらという余計な心配をしたこともありますが
お店で売り切るのではなく
どこかへ卸をしているのだと聞いたことがあります。
ガラスのケースの中の向かって右側に
草餅や柏餅や桜餅などのどれかひとつかふたつくらいが置かれていて
その左側には「上生」と小さく書かれてあり
ひとつお皿にのった季節の上品なお菓子がふたつくらい置いてありました。
種類の少なさがとても丁寧で上品に思えて
わたしはときめきました。
そして今まで食べたことがないくらいのおいしい草餅に夢中になりました。
その日に食べてしまわないと固くなってしまう
ずっしりと重みがあるのに 繊細で素敵な草餅です。
よもぎの香りがとてもいいのです。
もうすぐ夜の12時で おはなしも長くなってしまったので
続きはまた明日。
おやすみなさい。